今回は、前回ご紹介した「調性重力場=TONAL GRAVITY FIELD 」という考え方が、音楽を把握するのにどれだけ都合が良いかということを説明させていただきます。よろしく。
それではここで質問です。
「音楽とは何でしょう。」
ウーンと唸って初心に帰り、辞典を引いてみましょう。
おん−がく【音楽】
音による芸術。拍子・節・音色・和声などに基づき種々の形式に組み立てられた曲を奏するもの。
わかった様な、なんか騙されている感じは否めません。
特に、「音による芸術」の一言で片づけてしまえば、一般の方々にはご了承頂けるのではないかという編集者の意図が見え見えです。(いや、そんなことはないでしょうけれど。)
ともかくも、音楽を志す人々にとってこの答えでは納得がいきません。
「音による芸術に代わりはねーんだけどよー、俺が知りてーのはそういうことじゃなくてさー・・・なんつーのホラ・・・だろ?・・・」と不満が残ります。
我々が求めている答えは決定的なもので有るべきです。
それでは実際音楽を生業としてきた人に聞いてみることにしましょう。
まず、あの世でも精力的に活動していらっしゃる、コン・ジョルトレーン氏。
「音楽とは魂の叫びにほかならず、その行為は真理への飽くなき探究である。」
有り難いお言葉です。
私も日頃の怠惰をただし、音楽へ入魂。また出直してまいります。
(因みに、モノホンのJ.C氏もウエイン・ショーターに似たようなことを語ったそうです。音楽とは何かというよりも、音楽はこうあるべきという教訓ですね。)
さてお次は、相変わらずブっ飛んでますヘミ・ジンドリックスさん。
「・・・ヘイメン・・・ピース・・・」
さすがです。
ま、音楽とは何かを問う前に、ヤレと。これもまた真実かもしれません。
さて、フィクションはこれくらいにして、「春の祭典」で有名なストラビンスキーがあるインタビューでまさしく「音楽とは何でしょう」と質問をうけました。
そこで彼は
「音楽とは、ピッチ(音程)をコントロールすることである」
とおっしゃったそうです。
私なんぞはこのお言葉だけでもうイってしまいました。うまいこと表現したものです。
これならばありとあらゆる音楽形態、J.Sバッハのフーガからパフィーの「ジェットCD」にいたるまでバッチリ当てはまる名言です。
この世界には本当に数限りないスタイルの音楽があって、その一つ一つに独特の拍子や、節回し、音色、和声が存在しています。
それでもただ一つ共通しているのは誰かが、何らかの意思を持って音を出し、そしてその音をこれまた自らの意思でコントロールしているということなのです。
あなたがイシモリで楽器を買いました。これは音楽ではありませんね。
さて、家に帰ってドキドキしながらセッティングを完了し、これから吹くであろう夢のサンボーンフレーズを頭のなかでイメージしています。
でもまだ音楽にはなってませんが段々近づいてきました。
さあ気分はもうマーカスのベースラインを聴き始めています。
そして運命のB♭ロングトーン。と鳴ったかどうかは知りませんが、あなたは確実に音楽を実現したのでした。
おめでとう。よかったよかった。
あなたは自分の意思で(意地でもよい)サックスを吹き、音を出したのです。
ああもう私の涙は止まらない。
でもあなたはきっとつぶやくのです。「サンボーンの音がしない」と。
何故なのだ。なぜサンボーンの音がしないのか。やっぱしアメセル40回払いにしないとあの音は出ないのだろうか。
いや、店員の人に勧められたセルマーのダッサイマウスピースのせいに違いない。
やっぱしデュコフにしておけばこんなことには成らなかったのだ。
というあなた。そりゃ違うぜ。
あなたに足りなかったのは、出した音をコントロールするテクニックに他ならない。
そもそも性格も体格も人種も年齢も、もしかすると性別も違う人の音がそっくり出せるように成るわけがないじゃござんせんかあんた。なめたらいかんよなめたら。え。
そこで音を変幻自在にコントロールするべく登場するのが「TONAL GRAVITY FILED 調性重力場」という考え方なのですが、紙面が無くなってしまいました。
悪しからず。
問い合わせ/藤原大輔 fwiz4844@nifty.com